ガン 治療


ガンの治療

多彩な選択肢

不本意ながら、もしガンと診断されたら、どうしたらいいでしょうか?目の前が真っ暗になって、何日も眠れぬ夜を過ごすことになるかもしれません。しかし気を落ちつけて、以下のことを考えてみてください。

まず第一にお勧めしたいことは、本当にガンなのか確認する作業です。進行ガンであれば、ガン細胞の存在を確認しなくても、まずガンと診断できますが、 特に小さな病変の場合、ガンという診断は慎重であるべきです。

最初ガンといわれ、手術したらガンでなかったという悲劇が時にあります。ガンと疑われる 組織あるいは細胞を顕微鏡でみて、病理医が診断しますが、実際のところ、病理医によって診断が異なることがあります。ガンであるかどうかということは、生命に関わる非常に重要なことですから、診断に疑問を感じたら、セ カンド・オピニオン(第二の意見)を聞くことをお勧めしています。すなわち、病理標本を借りて、別の病理医の意見を聞いてみるのです。二人の意見が一致 して、ガンという診断が確定したら、次に治療にとりかかります。

ガンの治療には、いくつかの方法があります。

1 手術

ガンにかかった部分を切り取ってガンを治そうとするわけですが、問題は手術時にすでに細胞レベルで転移が起きていることが多いことです。

転移があれば再発という形でまたガンが起きてきますので、根治させることは難しくなりま す。ガンが進行していますと、手術してとらなければならない部分も大きくな り、よけい体力も落ち、いろいろな障害に苦しむことにもなります。

しかし、原則的には、とってしまえるならできるだけとってしまった方がいいと考えます。

2 放射線

ガン細胞を放射線で殺してしまおうという試みは広く行われています。全身に 飛び散ったガン細胞に対しては無力ですが、局所に限局している場合は放射線 療法で治癒が期待できます。

たとえば喉頭ガンでは声帯を残して治療ができます。治癒が無理でも、延命が期待できることも少なくありません。骨に転移して痛い場合、痛みを止める効果もあります。

問題はガン細胞だけやっつけるのではなく、正常細胞も傷つけてしまうため、 副作用が無視できないことです。免疫力を低下させたり、ふらふらしたり等いろいろです。進行ガンでは、放射線で延命さえも期待できないことが少なくありません。

3 抗ガン剤

自らの毒性によってガン細胞を殺してしまうという治療法ですが、正常細胞も 殺したり傷つけてしまうという弱点があります。免疫力を落とし、毛が抜けたり、吐いたり等で苦しむ人が多いのです。

抗ガン剤で治癒する可能性の高い腫瘍は次の種類です。

  • 小児ガン
  • ホジキン病
  • 精巣腫瘍
  • 絨毛ガン
  • 成人急性白血病
  • 卵巣ガン


  • これらの腫瘍については、積極的に抗ガン剤を使用すべきです。

    抗ガン剤で延命が期待できるが、治癒は希であるものを次に示します。

  • 進行性非ホジキン悪性リンパ腫
  • 小細胞肺ガン
  • 乳ガン
  • 骨肉腫


  • 限界を知って使用するならば、使用する価値があります。

    これ以外の腫瘍(胃ガンなどの固形ガン)については、抗ガン剤では、治癒は もちろん、延命もあまり期待できないことを知るべきです。抗ガン剤に腫瘍縮小効果があっても、その毒性のため生命力を低下させ、延命は起こりにくいのです。

    患者はガンを治癒させるためであれば、どんなに苦しくても耐えようとします。

    しかし治癒は不可能で、延命さえもなく、抗ガン剤の副作用に苦しむ毎日であれば、むしろ何も使わないほうを選ぶほうが自然かもしれません。

    日本において、明らかに抗ガン剤が乱用されています。進行ガンの人に、延命さえ証明されていない抗ガン剤を勧める医師が多いことは理解できません。

    以上の3つが、普通に行われているガンの治療です。自分のガンにはこれらのうちどの方法がいいのか、医師と十分に話し合って下さい。2つ3つ重ねた方がいいこともあります。しかしここ20〜30年で、これらの方法はあまり進歩せず、治癒率は向上してきませんでした。

    これらの方法によっては治癒が見込めないとき、あるいは治癒を期待していたのに再発・転移してしまったとき、どうしたらよいのでしょうか?

    以上のような治療を試みてもどうしてもだめであれば、諦めずに次の療 法を試みてもいいと考えます。

    4 免疫療法

    免疫力の低下がガンを進行させますから、逆に免疫力が高まれば、ガンの進行が遅くなり、止まることが期待されます。ガンは全身病であることを忘れてはいけません。

    局所のガンを治すときでも、全身の免疫力を高めてやれば、ガンは治りやすいし、再発もしにくいのです。ガン患者のクオリティ・オブ・ライ フ(生活の質)を改善することが期待できます。日頃から免疫力を高めておけ ば、ガンにかかりにくくなります。ガンにかかった人は必ず食事・運動・精神のどれかに問題を抱えています。

    食事療法:古今東西ガンにはいろいろな食事法がありますが、皆一様に肉・魚を避け、野菜を多くとることを勧めています。穀物は未精白とし、油はできるだけ減らす方がいいようです。事実このような食事は免疫力を上げます。あらゆる食事療法の中で一番効果的と考えているのが、ゲルソン療法です。 厳格な菜食と無塩・無脂肪食で、多量の野菜ジュースを飲むのが特徴です。

    運動療法

    ウオーキング程度の運動は、適度に免疫力を上げますから、日頃の運動は大切です。ただしやり過ぎはかえって免疫力を下げますので注意しましょう。

    精神療法

    精神的に落ち込むと免疫力が下がることが知られていますが、逆に ファイトを出してガンと闘うようにすれば、免疫力が上がりやすく、かなりの延命効果のあることが知られています。この点、欧米のように、ガン患者のサポートグループがどこにでも見られるようになると、すばらしいと思います。毎日いいイメージを抱き続けたり、お笑い番組を見たりして、いつも腹を抱えて笑うようにするのもいいのです。

    宗教的・思想的平安をもつこともおすすめできます。

    自然薬療法

    たとえば茸のエキスを内服したり、注射することでも免疫力を高めることができます。これらは全くというほど副作用はありませんので、体力が落ちていても試みることができます。

    ただし単一では確実性は乏しいことも事実ですので、いろいろなものを組み合わせるほうがより効果的です。

    進行ガンを治すことは難しいですが、苦痛を減らしたり、延命をもたらすことは期待できます。 ただし免疫療法は、免疫を下げる抗ガン剤や放射線療法と同時に施行しても効果はありません。これらを止めて1〜2カ月目で初めて免疫が上がるようにな ります。

    5 ホスピス的ケア

    ガンが進行しすぎて どうにも治癒が期待できない場合、苦痛をできるだけとり、最後に残された日々を充実させていきたいと考える人のための施設です。確かに人は最後には必ず死ぬのですから、これは大切なことです。もっとこのような施設が増えることを願っています。

    このようにガンには多彩なアプローチの仕方があるのです。医師から十分に説明を受けて、患者自身が選択できるのが理想的な医療であると考えます


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