認知症 アルツハイマー病 介護


認知症になったら家族はどうする?

ごく初期に見られるサイン

もの忘れは通常の老化現象と区別がつかず、気づかないことが多いのですが、生活の様子を見ていると言動に異変が起きていることがあります。段取りができなくなる・性格がちょっと変わった・腰が痛いなどの不調を気にするといったことが見られるようになります。

  • 家事がうまくできなくなる
  • 仕事のミスが増える
  • 元気がなくなる
  • 短気になる
  • 体の不調を訴える


  • これらの症状はお年寄りにはよく見られるものばかりですが、年のせいにして見逃すと、気づいたときには認知症が進行していることもしばしばです。

    数ヶ月から半年の間にこうした症状がいくつか見られて回復しないときは、アルツハイマー病の初期症状を疑ってみます。

    紛らわしい病気もあります

    認知症の症状がほかの病気でも現れることがあります。

    ■老人性うつ病
    うつ状態になると意欲が低下し、物事を覚えにくくなります。それが認知症と間違われることがあります。

    ■脳腫瘍
    高齢者の脳腫瘍で早く半数に痴呆症状が現れます。

    ■パーキンソン病
    高齢者に多い神経系の病気で、認知症を合併している場合があります。

    ■甲状腺機能低下症
    甲状腺の機能が低下すると、脈が遅くなり、行動も鈍く、脳の働きも低下します。

    認知症は本人だけでなく、家族にもかかわる問題です。ちょっとした異変に気づいたら、精神科・神経内科・心療内科など専門医のいる医療機関を受診しましょう。


    認知症の治療は進行を遅らせるために

    家族が認知症と診断されたら、治療方法はもちろんですが、どういうライフスタイルをさせたらよいかを専門医や福祉関係者と相談してください。

    病院では薬による治療の他、脳に刺激を与えるリハビリテーションも行われます。しかし、認知症になったら、毎日の生活も病気の進行とかかわっているのです。生活そのものがリハビリテーションのようなものといってよいでしょう。これまでやってきた家事や仕事は続けていくようにしてあげると、病気が進行するのを防ぎます。

    また、家族であるがゆえに、つい過保護になりがちですが、本人ができることまで取り上げてはよくありません。機能が低下していても適度な刺激を与えることは、それ以上の低下を防ぐことになります。

    あせらず無理なく介護することが大切

    認知症の介護は、長期間に及びます。幻覚や妄想・徘徊などの症状が起きると、介護も困難になり、介護する人も感情的になってしまう場合もありえます。イライラした気持ちが認知症になった人にも伝わり、さらに症状が悪化してしまうケースもあります。

    最初から全力投球で臨むのではなく、自分たちなりのペースでゆとりを持って介護に当たりましょう。

    ●ありのままを受け入れる
    認知症を理解して感情的にならず、ひとりの人間として尊重して接することが大切です。不安な気持ちをやわらげてあげましょう。

    ●ひとりぼっちにしない
    孤独な生活は刺激が少なく、認知症を進行させてしまいます。趣味や遊びを通してコミュニケーションをとりましょう。

    ●本人ができることはしてもらう
    残された能力を生かすことは認知症の進行を遅らせることにつながります。手を貸さないにしても、体調を崩さないよう生活のリズムを作ってあげたり、転倒しないように見てあげるなど、気配りは大切です。

    サービスを利用して、介護する家族も楽に

    「介護は家族がするもの」と思い込んだり、周囲の目を気にしたりして、自分の生活を犠牲にして介護にあたると、体も心もぐったりと疲れてしまいます。認知症の人も介護する人にとってもお互いよい結果を生みません。

    介護施設にはサービスに応じて様々な施設があります。訪問介護(ホームヘルプサービス)・訪問介護・訪問入浴介護・通所介護(デイケア)などです。介護保険も適用できるので無理のないように自分に合ったサービスを探しましょう。よく分からないときは役所や役場に相談しましょう。


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