|
糖尿病とは
糖尿病患者が増えています。
日本には600万人はいると言われていますが、治療を受けている人は、3人に1人だろうとも言われます。大抵は殆ど自覚症状がないためと、正しい知識に欠けているためでしょう。
筆者の病院の人間ドックのデータでは、受診者の約半分に糖尿病傾向があり、 本物の糖尿病が5%、残りが境界型糖尿病です。境界型糖尿病とは、正常でも糖尿病でもないが、血糖値が高めの状態で、場合によっては、本物の糖尿病に移行しますし、いろいろな合併症も起きやすいことが知られています。もし糖尿病の患者の10倍境界型糖尿病が存在するのであれば、日本中には6000 万人も境界型が存在することになります。実際は糖尿病は都市部に多く、地方には少ないのですが、それにしても、大問題です。
糖尿病は大きく分けて、インスリン依存型糖尿病と、インスリン非依存型糖尿病に分けられます。中年以後に問題になるものは大抵インスリン非依存型糖尿病です。この予防について考えてみましょう。
血液中のブドウ糖濃度を調節しているホルモンで重要なのが、膵臓から分泌されるインスリンです。インスリンの分泌が足りなくなったり、効き目が悪くなると、血糖値が上昇し、糖尿病あるいは、境界型となります。
糖尿病の怖さは、相当に重くならない限り、自覚症状がないことです。ですから適切な処置を怠り、いつのまにか、ひどい合併症を引き起こし、取り返しがつかなくなるのです。合併症とは、脳卒中、心筋梗塞等の動脈硬化によるもの、腎臓病などで、時に致命症となります。糖尿病の人は、平均的日本人に比べ、男性で9年、女性で14年も寿命が短いのです。きちんと治療を受け、血糖を正常化しなければなりません。
中年以後の人は、年に1度は血糖検査を受けましょう。尿糖検査は必ずしも当てになりません。